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-CASE17-

相続税対策と不動産活用問題相談事例


相談者R様
私の実家は、子供の頃は緑豊かな山々と青々した田畑が広がる長閑な田舎町でした。
それが高速道路とインターチェンジが出来て、実家の近くに大型のアウトレットモールが営業し始めた頃から、実家の周辺の住宅環境は一変しました。
そしてすぐそばには、大型スーパーや大きな病院、新築住宅に賃貸アパートなど、それまで長閑な田園風景だった田舎町が地方都市としての街並みに変わりました。
私の実家は、祖父の代までは農業を営んでおりましたが、その祖父が身体をこわして寝たきりになると、父も農業には見切りをつけて役場で働くようになりました。
今から6年程前になりますが、その祖父も他界してしまい、祖母と父が祖父の財産を相続しました。
しかし、その祖父の相続をした当時は、父も相続にはまるっきり無頓着だったので相続税の支払いが家の貯金では足りずに、祖父が遺してくれた土地の一部を手放す事になってしまいました。
私の実家は田畑と、幾つかの古い木造の借家を持っていましたが、その持っている借家も古すぎて借主もいなく、毎年、実家に送られてくる固定資産税の納付書が、祖父が他界してから父の負担として重くのしかかり、父は役場から貰うボーナスのほとんどを固定資産税の納税に充てて、その後は何とか家族で暮らしていました。
今年の冬休みに帰省した時の事ですが、父は新聞と雑誌の切り抜きを私に見せて、私に父のこれまでの苦悩を告げられました。
「俺はまもなく嘱託勤めも定年するが、俺の退職金は母(私には祖母)の医療費と、これを見れば分かるとおり、母が亡くなったらその相続税の税金で消えるだろう。お前の代になったら、ここを売り払って慣れ親しんだ横浜でずっと暮らしなさい」と、父は私に悲しそうに言いました。
父に言わせると、祖母がもし亡くなった場合、平成27年から相続税の基礎控除が変わることで、父自身は一人っ子なので相続税だけでも8000万円以上を支払わなければならない事、それと寝たきりの祖母の医療費が高額で支払いが嵩んでいる現状についてでした。
そんな父の話を聞いて、私も悲しくなり、父に私の将来の夢について話をしました。
私は今でこそ、横浜に住んで建設会社で働いていますが、元々は、大学を卒業して教員になるので夢でした。
私が大学を卒業した頃はバブル期だったのですが、同世代がオリンピックベビーブームだったので、奉職する教員枠も足りずに、私はやむなく民間企業に就職しました。
それから結婚をして2人の子供に恵まれましたが、長男は生まれながら喘息が持病で、ゆくゆくはUターンをして、まだ自然の残されている実家で家族とともに学習塾でも開いて暮らしたいと、よく家内とは話し合っていました。
しかし、父からおもむろに告げられた祖母と父の二代に掛かる相続税を、私にはどうする事が出来ないのも事実ですし、祖父が元気だった頃は、よく父が「二足三文に土地だよ」と、私には言っていましたが、その二足三文の土地も、今では路線価でも20万円以上はする土地となっていて、今日は資料をお持ちいたしましたが、土地の固定資産税評価額でも一億円位に、路線価額でも二億円を超えるものになっています。
私としても祖母が存命のうちは、実家の土地を売却する訳にもいかないし、かと言って、それだけの預貯金が有るわけでもありません。
私は父が祖父の相続時に、先祖伝来の土地を売る苦渋の選択をした訳が、今になって私自身も理解する事が出来ました。
それから、実家の近くに住んでいた幼馴染の家が売られている地元の実情もよく分かるようになりました。
来月のお盆は、祖父の七回忌があり、妹も実家に帰省しますので、その時に家族で話し合ってみようかと思っております。
しかし、私としても相続税の事が少しでも分かればと思ってはいても、あいにく知人には税理士先生もいなく、その私が悩んでいたところに、ウチの家内がタウンニュースに無料相談会のお知らせを見つけ出し、今日は藁も縋る思いでお伺いさせて頂きました。
こんな状況ですが、税理士の先生としては何か良い方法がありますでしょうか?

講師
R様のお話から判断すると、現状のままにして相続対策を怠っていた場合、お父様の退職金はおろか、ご実家の不動産は相続を重ねる度に売却することになってしまいます。
おそらくは、R様が相続するときには土地・建物の全てを失ってしまう可能性も考えられます。

相談者R様
やはり、私に父が話したことは本当だったのですね?

講師
お父様がお話した事は、ほぼその通りだと思います・・・しかし、まだ、それを防ぐ方法は有ります。

相談者R様
それは、どのようにすれば良いのでしょうか?

講師
先程のお話から判断しますと、お近くにアウトレットモールや大型スーパーに、大きな病院と、ご実家の周辺の居住人口はかなり増えていませんか?

相談者R様
そうですね・・・確かに、私の実家の近くにも小学校や保育園も出来ましたし、かなり人口は増えていると思います。

講師
それならば、私からのご提案としてはお父様と御祖母様の退職金や預貯金が有るのであれば、その預貯金を、今回の相続対策の原資にして不動産の有効活用する事をお薦めいたします。
まずは古くなってしまった借家を取り壊し、将来的にも収益が得られる賃貸アパートや貸し店舗を建設し、ほかの遊休地は月極の貸し駐車場などにして、お父様方がお住まいの建物以外の土地を収益不動産として生まれ変わらせるのです。
そこで肝心な事ことですが、ご実家がお持ちの土地を収益不動産として建設などを行うわけですが、ただ単にお父様や御祖母様の名義で建てるのではなく、R様にはお父様とご一緒に会社法人を設立して頂き、お父様と御祖母様がその会社に事業資金を貸し付けて、新しい建物は設立した会社法人の名義で所有することで、その会社に賃料収入が入り、それらの賃料収入をR様とお父様を含む御家族の方々が、会社法人から給料支払いとして受け取っていく事で、ご希望通りの節税も叶い、ご実家の財産を分散することができます。
さらには給料として受け取ることによって、皆様が給料の概算経費である給与所得控除の適用を受けられますので、それらを全体的に考えますと大幅な節税にもなっていきます。
それらの建物を会社法人が所有し、御祖母様とお父様が適正な地代を受け取り続ける事で、もし仮に、御祖母様とお父様が御隠れになられたとしても、その際にはご実家の土地を一般的な評価額で課税するのではなく、借地権等の貸地として減価した評価額で相続税を計算することになりますので、その事に依って、御祖母様とお父様の二代で続く相続税の評価額を大幅に減額させる事が出来ます。
まず、簡単に言いますと、これまで悩まされてきた相続税等の節税効果と、御家族で長期的な安定収入が得られる2つのメリットがお受けになられる事が出来る方法なのです。
また、R様も将来的には学習塾の開業をお考えならば、その学習塾の経費や人件費などについても、新しい会社法人の元で開業されれば、そちらの方も一元化することで節税や経営管理が行えますから、R様としても後々を考えますと煩雑にならず、大変便利な方法ではないのでしょうか?
これは私からのアドバイスですが、先程からのお話だとお近くには大きな病院や商業施設などがお有りだとお聞きしましたが、まずはその病院と商業施設などをターゲットに貸し出す借家や社宅等の計画をお考えになられたよろしいかと思います。
まず、病院についてですが、これは現代社会の高齢化によって、高齢者の人口も増えてきて、それぞれのご家族で介護をする事が困難になり、それに因って施設が大変不足しています。
また、各地の行政も含めて、新しくグループホームやデイケアの建設用地の確保、入所先の借家等の建物を探しています。
それから、お近くのアウトレットモール・大型スーパー等も、比較的に人件費が安く、活動的な若い従業員を多く確保するために、当然、近隣の建物を一棟借り上げの社宅として探しています。
私としては、そのような周辺の住宅ニーズを捉えて、ご実家の土地については収益を生み出す不動産に変えていくことをお薦めいたします。

相談者R様
そうですか・・・それは良いとは思いますが、私にはそのような知識も経験も有りません。
私が唯一出来るとしたら、現在の仕事関係からアパートや店舗を作る建設会社を見つけ出す事くらいしか出来ないのですが・・・
それから、当然、実家の持っている預貯金だけでは、到底、建設費用などは足りないと思うのですが如何でしょうか?

講師
その件につきましては、簡単にご説明いたしますが、まず、事業資金の調達につきましては、お父様とR様がご実家の土地を担保に、銀行から借り入れする方法を取ります。
また、将来的なメリットを考えますと、今回のお父様の事業資金のお借入分につきましては、銀行からの借入内容にも依りますが、お父様の相続時にはR様自身に取っても有効的な相続税の節税効果がかなり望めます。
それには、しっかりとした事業計画とお借り入れの為の資料が必要になってきます。
次に、今回の不動産の有効活用のプランニングについてですが、それに関しては当社団に登録しています、不動産活用に経験豊富なコンサルタントが出来る不動産業者をご紹介させて頂きます。

相談者R様
そうですが・・・それなら、私としても父と将来を考えることが出来ますし、来月の帰省した時には、家族に安心して説明する事が出来ます。
先生には、これからの事をお願いする方向で父と電話で相談して、私も帰省前に家内を連れてまいりますので、今一度、実家の計画をご説明して頂けないでしょうか?

講師
私の方では、それで構いません・・・R様がよろしければ、こちらの資料をお預かりさせて頂き、次回のご面談させて頂く際には、ご実家の相続税の課税額を算定しておきますし、その際にはご一緒に、当社団に登録しております不動産会社の方に、ご実家の土地の不動産活用プランについてもご提案させます。

相談者R様
それだと、私としても大変助かります。
先生もお忙しいとは思いますが、宜しくお願い致します。
後日、R様は奥様を伴われて社団の担当税理士の事務所に訪れ、不動産会社の方とともに、ご実家の相続税対策について御検討なされました。
それからお盆休みが明けた8月末に、R様はお父様をご実家から呼び寄せられて、税理士事務所にご来訪され、お父様とご一緒に当社団の担当の税理士と不動産会社にご依頼をされて帰られました。

相談後記
現在は、R様とお父様はご実家の不動産活用に入られ、当社団の司法書士に会社法人の設立を、設計士には建設する建物のプランニングを依頼されて、御家族が一丸となって精力的に頑張られています。
また、今月には、当社団でご実家に計画する事業のお打ち合わせの為にお伺いした折に、担当の税理士と不動産会社の担当者をご歓待して下さり、その会食の席上で、当社団の関係者とR様御家族に向けて、お父様が御自身の胸の内をお話して下さいました。
「私は先々定年して、母親の介護しながら、たまに帰省してくる息子夫婦、娘と孫に会える事を生きがいにしながら、妻と侘しく老後を暮らすだけなのかと思っていました。だけど、来春には息子達も会社を退職して戻ってきてくれて、息子家族ともに新しい第二の人生目標に向かってスタートする事が出来ます。私は息子夫婦と孫が、もう私みたいにお金や税金で困らないようにする為に、これからの人生を生きる励みを持って頑張っていきます」と、その決意の程を語って下さいました。
また、そのきっかけを作られたR様からも、「先生方のおかげで、私も家内と学習塾の開業準備に追われています。私の子供達も、今までは共働きで鍵っ子だったので寂しい思いをさせてきましたが、今度は祖父母と一緒なので大変喜んでいます。これからが、私達も大変だとは思いますが、私ら家族全員に夢を与えて下さり、本当に有難う御座いました」と、社団の関係者に温かい労いお言葉と感謝の意を頂戴する事が出来ました。

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